記事まとめ
- 11歳時の短い作文から22年後の最終学歴をAIが高精度で予測 – イギリスの約1万人の子どもたちが書いた平均250語の作文を分析し、OpenAIのGPTモデルを用いて1536次元の特徴量を抽出することで実現された
- 教師評価とほぼ同等、遺伝子データを大幅に上回る予測精度を達成 – 読解力予測で作文分析59%、教師評価57%、遺伝子データ14%という結果を示し、作文分析の有効性が際立った
- 作文、教師評価、遺伝子データを組み合わせることで標準知能検査レベルの精度に到達 – 3つのデータソースを統合的に分析することで、より高い予測精度を実現し、教育分野でのAI活用の可能性を示した
対談: 11歳の作文で22年後が分かる? AIが見せた衝撃の予測力
助飛羅知是:松永さん、この記事すごいですね! 11歳の子どもに「25歳の自分を想像して」って作文を書かせたら、AIがその子の22年後の33歳時点での最終学歴などの教育達成度を当てちゃったんですって!まるでAIが水晶玉になったみたいじゃないですか!ギャハ!
松永尚人:水晶玉って…。これは1958年生まれのイギリスの子どもたち約1万人が11歳の時に書いた、たった250語程度の短い作文を分析した研究ですよ。しかも読解力の予測精度は59%で、教師の評価57%とほぼ同等。遺伝子データの14%と比べたら、圧倒的に高い精度なんです。
助飛羅知是:えっ、遺伝子より作文の方が未来を予測できるんですか!? つまり、生まれつきの才能より、11歳の時点での文章力の方が重要ってこと? それって、私が11歳の時に書いた「将来は最強のMTGプレイヤーになる」って作文も…
松永尚人:いや、そういう内容じゃなくて。OpenAIのGPTモデルが作文から1536次元の特徴量を抽出して、文章構造や語彙の豊富さ、文法の正確性など534もの言語指標を分析したんです。つまり「何を書いたか」じゃなくて「どう書いたか」が重要なんですよ。
対談: 内容じゃない「どう書くか」で未来が決まる恐怖
助飛羅知是:なるほど!つまり「ラーメン二郎最高!」って内容じゃなくて、それをどれだけ論理的に、豊かな語彙で書けるかってことですね。でも1536次元って、どういうことですか?
松永尚人:1536次元というのは、文章の特徴を表す1536個の数値のことです。例えば、使用語彙の多様性、文の長さの分布、接続詞の使い方、段落構成…こういった要素を全部数値化して分析するんです。
助飛羅知是:へー!じゃあ私の11歳の作文「MTGで世界チャンピオンになりたい。なぜなら、カードゲームは戦略的思考力を鍛える最高のツールだからだ」みたいな文章も、AIは「なぜなら」を使った論理構造を評価してくれるってこと?
松永尚人:まあ、そういう面もありますね。でも助飛羅さん、これ怖くないですか? 11歳の時点で将来が見えちゃうって。
対談: AI予測が子どもの可能性を潰す?自己成就的予言の恐怖
助飛羅知是:確かに…もしこのAIが学校で使われたら「この子は大学に行けない確率41%」とか言われちゃうわけでしょ?それって子どもの可能性を潰しちゃうんじゃ…
松永尚人:その通りです。「自己成就的予言」といって、予測が現実を作ってしまう現象があります。教師が「この子は伸びない」と思い込むと、実際にその子への接し方が変わって、結果的に予測通りになってしまう。
助飛羅知是:それってMTGで「このマッチアップは不利だ」って思い込んで、実際にプレイが消極的になって負ける私みたいなものか…勝率23%の呪いがここにも!
松永尚人:その経験があるなら、この問題の深刻さが分かるでしょう。しかも、作文分析と教師評価と遺伝子データを組み合わせると、標準的な知能検査レベルの精度になるって書いてあります。つまり、より正確に子どもを「分類」できてしまう。
対談: 生まれた瞬間から就活!? ビジネス界の恐るべき未来
助飛羅知是:うわ、これがビジネスに応用されたらヤバくないですか? 新卒のエントリーシートをAIが分析して「この人は5年以内に辞める確率78%」とか出されたら…。
松永尚人:実際、そういう使い方をする企業は出てくるでしょう。履歴書、職務経歴書、社内メール、プレゼン資料…全ての文章がAI査定の対象になる可能性があります。
助飛羅知是:それじゃあ皆、AIに評価されるための「正しい書き方」を勉強し始めるんじゃ…まるでラーメン二郎で店員に気に入られるための「正しいコール」を覚えるみたいに!
松永尚人:また二郎の例え…でも本質は掴んでますね。実際、企業の人事評価システムや金融機関の与信スコアみたいなものと組み合わさったら、人間の能力や信用が完全に数値化される社会になりかねません。
助飛羅知是:でも考えてみたら、もっと恐ろしいことが起きるかも。小学生の頃からSNSを監視して、将来有望な子どもに企業が早期アプローチとか…
松永尚人:「デジタル履歴書」が生まれた瞬間から始まることになりますね。ありえなくもない未来です。
助飛羅知是:それってもう、生まれた瞬間から就活が始まるってこと!? 赤ちゃんの泣き声のパターンから将来のリーダーシップを予測するとか…ギャハ!
松永尚人:こういった早期選別には大きな問題があります。「遅咲き」の才能を完全に見逃してしまうことです。歴史上の偉人でも、子ども時代は平凡だった人はたくさんいます。アインシュタインだって、言葉を話し始めるのが遅かったと言われています。
助飛羅知是:なるほど…じゃあ真面目な話、このAIの評価基準を逆手に取る方法とかないんですか?
対談: AI対策塾の時代? 評価システムはハックできるか
松永尚人:AIの評価基準が分かれば、それに最適化した文章を書くことは可能でしょう。でも、それって本末転倒ですよね。能力を測るはずが、「AIウケする文章の書き方」を測ることになってしまう。
助飛羅知是:そうか!つまり将来は「AI対策塾」みたいなのができて、子どもたちが「1536次元で高評価を取る作文術」を勉強する時代が来るかも!
松永尚人:ありえない話じゃないです。実際、今でも就活のSPI対策とか、TOEIC対策のテクニックとか、似たようなことは皆やっているわけですし。
助飛羅知是:でも待てよ…この研究、1958年生まれの人たちのデータで、分析対象は作文でしょ? 今の子どもたちはSNSとかYouTubeとか、全然違う環境で育ってるじゃないですか。作文だけ攻略しててもダメなのでは?
松永尚人:現代の場合、SNSの投稿履歴、検索履歴、アプリの使用パターン…分析できるデータが圧倒的に増えてますから、もっと精度が上がる可能性もありますよね。デジタルネイティブ世代の場合、幼少期の頃からネットに触れていることもあるわけです。まさに、さっきの「デジタル履歴書」の話ではないですが…。
助飛羅知是:うげぇ…私の大学生の時のブログ「今日もラーメン二郎に行きたい日記」とか分析されたら、完全に人生終了のお知らせじゃないですか!
松永尚人:でも、この技術には良い面もあるんです。学習困難を早期発見して適切なサポートを提供したり、個々の才能を見つけて伸ばしたり。問題は使い方なんですよ。
助飛羅知是:なるほど! 包丁と同じで、美味しい料理を作ることもできるし、危険な使い方もできる。ラーメン二郎の極厚チャーシューを切るのにも…
松永尚人:その通りです。AIの予測を「運命の宣告」じゃなくて「現在地の確認」として使えば、有益なツールになりえます。
対談: 予測を運命にしない – 人間の可能性とAIの共存
助飛羅知是:そう考えると、Salesforceの活用法とも似てますよね。データを分析して未来を予測するけど、それはあくまで「可能性」であって「運命」じゃない。
松永尚人:その通りです。データは判断材料の一つに過ぎません。最終的には人間の意志と努力が未来を作るんです。実際、助飛羅さんも11歳の頃にCEOになるなんて予測できなかったでしょう?
助飛羅知是:確かに!11歳の私は「MTGプロプレイヤーになる」か「ラーメン評論家になる」で迷ってましたから。まさかIT企業のCEOになるなんて…ギャハ!
松永尚人:そういう予測不可能性こそが「人間の可能性」ですよ。ただ、これからの時代は、AIの予測と上手く付き合いながら、自分の可能性を切り開いていく必要がありますね。
助飛羅知是:だからこそ、AIを恐れるんじゃなくて、賢く活用することが大切なんですね! GitHouseでも、AIを使ったデータ分析で企業の可能性を広げるお手伝いをしてるわけですし。
松永尚人:まさにその通りです。予測に振り回されるのではなく、予測を活用して新しい価値を生み出す。そんなAI活用に興味がある方は、ぜひこちらからお問い合わせください!