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なぜ今、製薬大手がSalesforceに本気なのか?中外製薬のDX戦略を読み解く

記事まとめ

  • 中外製薬がSalesforceのSales Cloud、Data Cloud、Marketing Cloudを採用し、医療関係者へのパーソナライズした対応を目指している
  • 同社は成長戦略「TOP I 2030」においてDXを重要な柱として位置付け、デジタル技術を活用した真の個別化医療の実現を目指す
  • 今後はAIソリューションであるEinsteinやAgentforceの導入を検討し、医師とのコミュニケーション高度化を図る計画である

対談: なぜ今、製薬大手がSalesforceに本気なのか?


松永尚人:今回取り上げるニュースなんですが、中外製薬がSalesforceのSales Cloud、Data Cloud、Marketing Cloudを導入して、デジタル変革を加速するという内容ですね。製薬業界におけるCRMの活用は非常に興味深い事例だと思います。

助飛羅知是
助飛羅知是:なるほど!つまり中外製薬が薬をクラウドで作るようになったということですね!これはすごいですよ松永さん。薬をデジタル化すれば、患者さんはスマホで薬を飲めるようになるかもしれません。


松永尚人:何を言っているんだ…。これは営業やマーケティング活動をデジタル化するという話です。医師との関係管理をより効率的に行うためのシステムなんです。

助飛羅知是
助飛羅知是:あー、そうですか。でも医師との関係管理って、つまり医師とのマッチングアプリみたいなものでしょうか?「この医師は胃腸系が得意です♡」みたいな感じで。


松永尚人:全然違います…。これは製薬会社のMR(医薬情報担当者)が医師に対してより効果的な情報提供を行うためのシステムなんです。個々の医師のニーズに合わせて最適な情報を提供できるようになるんです。

助飛羅知是
助飛羅知是:なるほど、それなら理解できます。でも情報提供って、LINEのスタンプで十分じゃないでしょうか?「今日も診察お疲れさまです😄」みたいな感じで。


松永尚人:そんなカジュアルに医療業務ができるわけないじゃないですか…。製薬会社が提供する情報というのは、新薬の効果や副作用、適応症などの専門的な医学情報なんです。これらを医師の専門分野や患者の状況に合わせてパーソナライズして提供するのがポイントなんです。


松永尚人:例えばですが、同じ薬でも小児科医には子供への投与量や注意点を、高齢者医療の専門医には高齢者特有の注意点を重点的に伝えるといった、きめ細かいパーソナライズが可能になるのではないでしょうか。

助飛羅知是
助飛羅知是:パーソナライズ!それは素晴らしいです。でも医師って忙しそうだから、情報提供もスピーディーにする必要がありますよね。ラーメン二郎だって回転率が命ですから、「ニンニク入れますか?」って聞かれたら即答しないといけません。医師も同じで、必要な情報をサッと受け取れないと困るんじゃないでしょうか。


松永尚人:二郎の例えはともかく、確かに医師は多忙ですからね。効率的な情報提供は重要なポイントです。それが今回のSalesforce導入の狙いの一つかもしれません。Data Cloudを使って医師の行動パターンや好みを分析し、最適なタイミングで最適な情報を提供できるようになるんだと思います。

助飛羅知是
助飛羅知是:なるほど、データ分析ですね!つまり「この医師は月曜日の朝にコーヒーを飲みながら資料を読む傾向がある」みたいな分析をして、月曜日の朝にコーヒーの香りがする資料を送るということでしょうか?それなら二郎系の医師には、ニンニクの香りつき資料を送れば効果的かもしれません!ギャハ!

対談: Einstein降臨!? AIは医療現場のコミュニケーションをどう変えるか


松永尚人:デジタルで香りは送れないし、二郎系の医師ってそもそも何なんですか!? 中外製薬は今後EinsteinやAgentforceの導入も検討しているようですね。これは本当世の中のトレンドにも即していると思います。AI技術が医療従事者とのコミュニケーションをどう変えるか注目ですね。

助飛羅知是
助飛羅知是:Einstein!ついにアインシュタイン博士が蘇って製薬会社で働くようになったんですね!相対性理論を応用して薬の効果を計算するんでしょうか。E=mc²…つまりEが薬の効果、mが薬の質量、cが体内での光の速度…ギャハ!これで光速治療が可能になりますね!


松永尚人:よくもまぁすぐそんなデタラメがでてきますね。SalesforceのEinsteinはAI機能の名前です。機械学習を使って顧客の行動を予測したり、最適なアクションを提案したりする機能なんです。医師との面談で最適な話題や資料を提案してくれるかもしれませんね。


松永尚人:例えば「この医師は過去の面談履歴から新薬の臨床データに特に関心が高い」とか「木曜日の午後は比較的時間に余裕がある」といったパターンを分析して、MR(医薬品メーカーの営業担当者)の方に「この資料を持参して、このタイミングで訪問するのが効果的かもしれません」みたいな提案をしてくれるんじゃないでしょうか。

助飛羅知是
助飛羅知是:あ、そういうことですか。でもAIが医師との会話を提案するって、ちょっと不安ですね。「今日は天気がいいですね。ところで当社の新薬はいかがですか?」みたいな不自然な会話になるかもしれません。まるでMTGで相手に「いいデッキですね。ところで投了していただけませんか?」って言うような…。


松永尚人:それ、あなたが弱すぎて相手が見るに見かねて…まあいいや。確かにAIの提案をそのまま使うのは危険かもしれませんね。あくまでMRの方が判断して使うべきだと思います。ただ、Agentforceは24時間365日対応可能なAIエージェントなので、医師からの問い合わせに即座に回答できるようになるかもしれません。緊急時でも薬剤情報を確認できるのは大きなメリットですよね。

助飛羅知是
助飛羅知是:24時間対応!それはすごいですね。深夜3時に医師から「この薬とラーメン二郎は相性が良いですか?」という問い合わせが来ても答えてくれるということですね。


松永尚人:なぜそこでラーメン二郎が出てくるんですか…医師は夜間の当直や緊急対応で患者さんの治療にあたることも多いですから、深夜でも即座に薬剤情報を確認できるのは本当に重要だと思います。「この患者さんには禁忌薬がないか」とか「用量調整が必要か」といった確認が24時間できるわけです。ただし、AIの回答は必ず医学的な正確性を人間が確認する必要がありますけどね。命に関わることですから。

助飛羅知是
助飛羅知是:そうですね。AIが間違った情報を提供したら大変です。でも逆に考えると、AIが医師になる日も近いかもしれません。「AI先生、お腹が痛いんです」「では二郎系ラーメンを処方しましょう」みたいな。


松永尚人:それを処方されて喜ぶのはあんただけだよ…。でも確かにAI技術の進歩は目覚ましいものがありますね。ただし医療分野では特に慎重な運用が求められると思います。中外製薬のようにしっかりとした戦略のもとで段階的に導入していくのが賢明だと思います。

助飛羅知是
助飛羅知是:そうですね。段階的導入は重要です。いきなり全てをAIに任せるのではなく、まずは簡単な質問から始めて、徐々に複雑な質問にも対応できるようにしていくということでしょうか。

対談: 医療DXの未来〜「田中さん専用胃薬」は実現するのか?


松永尚人:中外製薬は成長戦略「TOP I 2030」でDXを重要な柱として位置付けているそうですね。これは単にシステムを導入するだけでなく、ビジネスモデル全体を変革しようという取り組みだと思います。

助飛羅知是
助飛羅知是:TOP I 2030…どういった戦略なのでしょう?


松永尚人:「True Human-Centered Healthcare」を目指すものです。患者さんを中心とした医療を実現するためのデジタル戦略なんです。

助飛羅知是
助飛羅知是:患者さん中心の医療ですか。それなら患者さんが欲しい薬を直接リクエストできるシステムはどうでしょうか?「今日のおとめ座のラッキーカラーは青なので、青い錠剤をお願いします」みたいな感じで。


松永尚人:その例えはどうかと思いますが、患者中心というのは、個々の患者さんの症状や体質に合わせて最適な治療を提供するということです。例えば同じ病気でも、高齢者と若年者では薬の用量が違いますし、アレルギー体質の有無でも選択肢が変わります。そのためには医師が膨大な薬剤情報を適切に把握している必要があり、それを効率的にサポートするのがSalesforceのシステムの役割なんだと思います。

助飛羅知是
助飛羅知是:なるほど、それは理にかなっています。でも個別化医療って、一人ひとりに専用の薬を作るということでしょうか?「田中さん専用胃薬」みたいな感じで。


松永尚人:将来的にはそういう方向性もあるかもしれませんが、現在の個別化医療は患者さんの遺伝子情報や病歴を基に最適な既存薬を選択することが主流だと思います。そのためには膨大なデータの分析が必要で、それこそAIの得意分野かもしれませんね。

助飛羅知是
助飛羅知是:データ分析といえば、患者さんの好みも分析対象に含まれるんでしょうか?「この患者さんは甘い薬を好む傾向がある」とか「この患者さんは大きな錠剤が苦手」みたいな。


松永尚人:実際に薬の飲みやすさは治療継続に重要な要素だと思いますので、そういった情報も価値があるかもしれませんね。ただし、医療情報の管理には厳格なプライバシー保護が求められるので、Salesforceもその辺りはしっかり対応しているはずです。

助飛羅知是
助飛羅知是:プライバシー保護は確かに重要ですね。「この患者さんは入院中、実は隠れてラーメン二郎を食べている」みたいな秘密まで握られてしまうとちょっと怖いな。


松永尚人:その秘密は一刻も早く医師が把握すべきだと思います。さて、AIが適切に活用されれば医療の質向上に大きく貢献できると思われますが、やはり人間の医師や薬剤師の判断が最終的には重要だと考えています。我々のようなSalesforceのコンサルティング会社も、こうしたDXプロジェクトをサポートしていければいいですね。お問い合わせはこちらからどうぞ。

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